作品紹介④

「福知山の養蚕 ~今に残る3軒の養蚕農家の記録~」京都府福知山市
 かつて福知山は「蚕都(さんと) 」と呼ばれるほど全国でも有数の養蚕地帯でありました。由良川沿岸部をはじめ、山間地域にいたるまで多くの家々が天の虫「おかいこさん」の飼育に心血をそそぎ、やがて繭まゆとなるその姿に一喜一憂をくり返してきました。近代産業の花形であった明治から大正期、昭和の高度成長期を経ての衰退、そして今、「カイコのいる風景」を知らない世代が多数となっています。
 平成22 年(2010)現在、京都府下で蚕(かいこ)を飼う農家はわずかに3 軒のみで、この3軒の養蚕農家を記録し、将来にわたって養蚕の技術、そしてその文化を伝承しようとする目的で撮影にのぞみました。